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ヴィスコンティ・タロット-600年前に描かれた「思想」と「教訓」-

ヴィスコンティ・タロット-600年前に描かれた「思想」と「教訓」-

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2023年5月2日発売

香月ひかる

978-4-910924-08-3
A5判・並製・344頁
価格:5,940円(税込)

占いのカードとしての印象が強い「タロットカード」。ですが、もともとは占いのカードではなく、イタリアの貴族の遊びの道具として重宝されていました。

本書は著者が長年のわたり現地イタリアで集めた資料や図版ならびに文献をもとに、その起源を探求する旅ともいえます。

「ようこそ。ヴィスコンティ・タロットの世界へ。
「タロット」と言えば「占い」を連想しませんか? この世の中に現存する最古のタロットである「I Tarocchi deiVisconti ヴィスコンティ・タロット」は1400年代の中期、イタリアのミラノ公としてミラノおよび周辺一帯を治めていた貴族である、ヴィスコンティ家が制作させたものです。この当時のタロットカードは「占い用のカード」ではなく「カードゲーム用のカード」として使われていました。

タロットはどのようにして生まれ、なぜ宮殿内の壁に描かれるほど流行したのでしょうか?

この当時の貴族たちの宮廷では、学者などの知識人や芸術家たちを招き、学芸を身に着けるとともに、それを誇示しようとしていたことが関係しています。
彼らは何を学び、何を誇示しようとしていたのでしょうか?

この1400 年代の流行を、現存する絵画や写本、文献などから探り、当時の人々の「智L’Intelligenza」に迫ってみましょう。そしてその「智L’Intelligenza」を知ることにより、タロットカードに描かれた絵の意味を明らかにしたいと思います。」(本書「はじめに」より)

【目次】
◆ブランビラ版・ケーリー・イエール版・ピアポント・モルガン・ベルガモ版のトリオンフィ(大アルカナ)一覧表
◆はじめに

◆第1章 予備知識
⇒ヴィスコンティ家とスフォルツァ家
⇒タロットカードの構成
⇒現存するヴィスコンティ・タロット
⇒Trionfi トリオンフィに関する記述
⇒1300年代に行われたこと~古代ギリシャ・ローマ時代への関心と表現~
⇒I Trionfi 凱旋
⇒Trionfi 凱旋にまつわる二つの流行からの誕生
流行1「描く」/流行2「凱旋形式のパレード」/流行からの誕生
⇒Trionfi からTarocchi
仮説1/仮説2/仮説3/仮説4/仮説5
⇒どれが最古のタロット?
ヴィスコンティ家由来のL’Impresa インプレーザ
スフォルツァ家由来のL’Impresa インプレーザ
フランチェスコ・スフォルツァがビアンカ・マリア・ヴィスコンティと結婚した後(1441年以降)のL’Impresa インプレーザブランビラ版
ケーリー・イエール版
ピアポント・モルガン・ベルガモ版
⇒誰が描いたのか?

◆第2章 Trionfi(大アルカナ)に描かれていること
⇒Trionfi(大アルカナ)の配列
カードに描かれている絵(図像)

⇒Trionfi(大アルカナ)が語ること
1.Il Bagatto 奇術師/2.La Papessa 女教皇/3.L’Imperatrice 女帝/4.L’Imperatore 皇帝/5.Il Papa 教皇/6.Gli Amanti 恋人/7.Il Carro 凱旋車/8.La Giustizia 正義/9.Il Tempo 時/10.La Ruota della Fortuna フォルトゥーナの車/11.La Forza 力/12.L’Appeso 吊るされた男/13.La Morte 死/14.La Temperanza 節制/15.Il Diavolo 悪魔/16.La Torre 塔/17.La Stella 星/18.La Luna 月/19.Il Sole 太陽/20.Il Giudizio 審判/21.Il Mondo 世界/0.Il Matto 愚者

◆第3章 カードの引き方

【著者】
香月ひかる
1971年、東京生まれ。AEAJ 認定アロマセラピスト・インストラクター。
食品会社の研究室勤務、カフェ運営など多岐に渡る経験や占星学、タロットの知識を活かして、愉しく、実生活で役に立つハーブやアロマテラピー、タロットのレッスンを行なっている。
著書に『アロマと月の占星学』(文芸社)『ミンキアーテ・タロット〜メディチ家に捧げたタロット〜』(説話社)

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